混乱した状況を把握するために カネヴィンフレームワークとは?
教訓 モノでも生き物でも誰しも生息しやすい場所がある
こんにちは、Viviです。
皆さんは「カネヴィンフレームワーク」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
カネヴィン(Cynefin)というのは、ウェールズ語で「生息域」を意味する言葉です。
そして「カネヴィンフレームワーク」とは、今目の前で起きているできごとを理解し、対応する際に、その場の不確実な状況を見極め、的確な思考や行動を選択することを助けるユニークな理論的枠組みです。
身の周りのできごとや解決したい問題をこのフレームワークに当てはめると、そのできごとがどんな状態なのか、分析できるツールとして使うことができます。
0.5つの領域とは?
- 明白系
- 煩雑系
- 複合系
- カオス系
- 混乱
この5つの領域に分かれています。
1.明白系
安定的で因果関係が誰の目にも明らかな状況。何が起き、どういう結果になるのか、物事の順序が明確。パターンも明確で繰り返しできるものです。マニュアル化された業務やルールがはっきりとしている状態です。
2.煩雑系
誰がみてもわかるというほど単純ではないけれど、調査分析や事実確認を通じてひもとくことができる。専門家に相談したり、自分で調べたり、分析することで状況が分ったり、問題が解決する状態です。因果関係を解明することで理解できる状況でもあります。
3.複合系
因果関係がわからず複雑でベストプラクティスやこのやり方で解決するというものがない状態です。許される程度の小さな失敗を繰り返す、という「やってみる」ことで解明していく状態です。
4.カオス系
因果関係を解明することは不可能な状態です。大きな地震に襲われた時や急な停電、交通事故に遭遇した、新型コロナ感染症のパンデミック状態などの状況です。
この状態においては、まずは対策を考えるためにも避難したり、ステイホームしたり、まずは秩序を取り戻し、因果関係を探ることができる状態を取り戻すことが必要な状態です。
5.無秩序
これまでの4つの領域のいずれにも当てはまらないもの。1から4のどの系と見なすべきかわからないものです。組織の中でまたは、人生のさまざまな局面において「取り組みたくない(=行動不能である)課題のパーキングロットです。
1.このフレームワークを日常生活にどう使えるのか
- 新しく起きたできごとについてその全体的な状況を把握する
- チームメンバーに適切な役割を分担する
- 個人がどこの領域を好むタイプなのか把握する
1.新しく起きたできごとについてその全体的な状況を把握する
(これはフィクションです)
ある日突然、私の課に新しい業務が上から降ってきました。
A社がこれから進めていきたいという次世代テレビ会議システムを試しに使ってみて、使い道についていろいろと試したい。という実験に参加する、という話です。
担当者もいないし、その業務と似たような業務もうちの課には存在しません。
これをいったい課内でどのように進めていくのか。そんな時にこのプロジェクトの全体象について、フレームワークをあてはめてみて
・目的やルールを決める
・適切な部署や担当者を作っていく
そんな時に具体的に業務を細分化してみて、1つの業務がこの領域のどこに当てはまるのか、当てはめていくイメージです。
2.個人がどこの領域を好むタイプなのか把握する
カエルや蝶、ライオンは、それぞれに住みやすい環境が違います。
私たち一人ひとりもまた、それぞれ住みやすい生息域があります。
例えば、物事が理路整然としていて扱う物事が秩序だっていることを求めてしまうタイプの人はこのカネヴィンフレームでいうところの「明白系」を好む人かもしれません。
そのように普段の行動パターンから、その人がどの生息域にいることが得意なのか、そのタイプ分けするのに役に立ちます。
3.チームメンバーに適切な役割を分担する
「1.新しく起きたできごとについてその全体的な状況を把握する」で、新しく起きたできごとを分解してみて、そのできごとをプロジェクト化するとします。
その時に「2.個人がどこの領域を好むタイプなのか把握する」で個人の特性を把握したので、それを踏まえて各メンバーを招集して、プロジェクトを進める、そんなやり方はどうかな?と考えました。
2.使ってみました
自分の組織を観察してみました。
なるほど、なるほど、みんな住んでいる生息域が少しずつ違います。
例えば、血気盛んなAさんは、カオス系に率先して飛び込んで行ってくれて「3.複合系」に持っていくのが得意です。
Bさんは「2.煩雑系」が理想の生息域。でもそこが住みやすくなるまでには少しトレーニングが必要です。
そう考えるとトレーニング中にうまくいかずにイライラしてしまっているのも分かる気がしてきました。マネージャーとしては、Bさんにできていることに目を向けさせて、大丈夫だよ。と思わせてあげたいものです。
3.感想
確かにこのフレームワークを通して周囲の人を観察してみると、我が家の場合は
長男は「3.複合系」6割「2.煩雑系」4割的なタイプです。次男は「2.煩雑系」9割かな?って感じで、会話が弾む話題や興味、関心の傾向が違う原因がなんとなく掴めました。
これらの特性に応じた質問やお願いをすることでよりよい人間関係が構築できる気がします。
4.学び
このフレームワークは、小さなモノを観察する時の虫めがねのようなものですね。はたまた満月のクレーターを観察する天体望遠鏡のようなもの。
あくまでもツールの一つであり、その前提として「観察する」対象をしっかりと見極めた上で、観察することが必要なんですね。
まずは何を観察するか、そこを見つけることが大事。
とも言えますね。