めざせ、Neoleaderエヴァンジェリスト

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ブックレビュー『自意識と創り出す思考』下—理想や才能にとらわれず望む人生を自由に生きる

教訓 自分も他人もあるがままをただただ受け留める。


こんにちは、Viviです。上中下でお送りしている読書レビューの続きです。
『自意識(アイデンティティ)と創り出す思考』という本です。

 

自意識(アイデンティティ)と創り出す思考

自意識(アイデンティティ)と創り出す思考

 

  上編、中編と進めるにしたがい内容が哲学的になり難しくなってきましたが、残り1/3を何とかレビューしようと思います。
今回は13章から18章、そして終章までのまとめを書かせていただきます。

 

  • 第13章 自意識と偏見

この章のテーマは「偏見」です。
章末に掲載されているポイントには、以下の内容が書かれています。
人間の頭には物事をカテゴリーに分類する機能があり、偏見が生じる原因の1つとなっており、この分類は、自動的に起こる。自動分類プロセスのおかげで私たちはものごとを瞬時に判断し、危機を回避することができる一方、自動分類プロセスによって、現実を見失うことが多い。さらに、個人の自意識(アイデンティティ)が集団の自意識と結びつくと、人は部族主義に陥り、分断していく。その最たるものは、ナショナリズムである。ナショナリズムには2種類ある。文化を豊かにするものと、分断を作るものだ。
どの人種も、他の人種より優れているわけではないし、劣っているわけでもない。
人間は誰しも、何らかの集団に属している。そして誰もが人間性を共有している。
偏見は現実を歪曲する。一方、人間は、観察したり、理性を使ったりする能力も持っている。


そして、章の終わりは以下のようにまとめられています。
私たちには、偏見に基づいて自動的に結論に飛びつく傾向がある。このことを知り、観察と理性を使うことに特に重点をおくこと。これは、私たちが時間をかけて実践を通じて身に付けることのできる規律である。
このことを常に自覚することが大事なんだと思いました。

ここで言うところの肥満とは、何かの比喩表現ではなく、身体の肥満のことです。ここで筆者が書いているのは、
肥満である自らの劣等感から抜け出すために減量に励むことは、自意識(アイデンティティ)が肥満と結びついていると、健康改善は難しくなるが、関心を自分に向けるのをやめ、実現したい健康状態に向けることで、肥満から抜け出す「成功のチャンス」が増す、ということです。
つまり、減量は目的ではなく、手段である、ということではないでしょうか。

  • 第15章 広告に踊らされる自意識

この章のポイントは、以下の内容です。
広告は、見る人の自意識(アイデンティティ)に訴えかけるように作られている。この商品を使うあなたはこんなに素晴らしくなりますよ、と言うふうに。
広告はそうやって商品そのものの価値ではなく、購買者の自意識に基づいて買わせようとする。
と、述べています。
このあと、やはり他の章と同様に、
成果がどう得られるか、が大事であって、そこまでのプロセスが簡単か難しいかは関係ない。困難なプロセスを賛美したがる人が多いが、それも関係ない。
という文章で締めくくられています。
私はこれを読んで、ホットクック(食材と調味料を入れボタンを押すと料理ができる自動調理電子鍋のこと)で作った料理を私の家族が「これ、料理じゃない。」と言われたことを思い出しました。まさに、これ!ですね。

  • 第16章 個人と社会

この章でのキーワードは「共にいながら一人でいる」「自分のダークサイド」の2つです。
ここでの「自分のダークサイド」とは、他人に知られたらまずいこと、そして自分の中でも隠している暗部のことです。
章末のポイントをまとめると以下のとおりです。
人間は社会的な動物であり、他の人たちとの関わりを必要としている。
だが、他の人たちと共にいる必要がある一方で、人と一緒にいるのを難しく感じることもよくある。
他の人たちと共にいるためには、共にいながら1人でいられる必要がある。
「共にいながら一人でいる」ためには、自分の「ダークサイド」をも含めて丸ごとを受け入れることが大事。
自分の中のあらゆる部分を統合することで、自分自身に帰ることができるようになる。
そうなった時、もう自意識は邪魔をしていない。


何とも不思議な文章ですが、とても説得力があると思いませんか。
自分の暗部をも含めた丸ごとを受け入れる、ということは、良いとか悪いとかジャッジせず、ただただ観察してみる、ということなのでしょうか。瞑想のようで非常に興味深い章ですね。

今までは、個人にフォーカスが当たっていましたが、この章では、教育や指導、コンサルティングコーチングなどの教える側と教わる側という複数の立場がある中での自意識がフォーカスされています。
ポイントは以下の内容です。
教育や指導、コンサルティングコーチングなどでは、人が複数関わることになるため、その関わる全員が自意識(アイデンティティ)を離れ、望む成果にフォーカスを当てるのが1番だ。
「教わる」側のクライアントは、自分の知識にとらわれていることが多い。「教える」側のコーチやトレーナーは、クライアントが望む成果にフォーカスを移せるように支援する必要がある。
ということです。
個人であろうと、複数であろうと、望む成果にフォーカスする、ということが必要なんだ、ということですね。

  • 第18章 ふたつの世界

いよいよ、最後の章になりました。ここでのポイントは以下のとおりです。
ふたつの世界とは、自意識に囚われた世界と自意識に囚われない世界のことですが、自意識に囚われない世界とは、誰もが自分の志を追及してしている。誰もが自分の価値観に沿って生きている。他人にどう見えるか、自分をどう思うかなど関係ない。人生構築プロセスにフォーカスを当てた世界。
人は成長に伴い社会の中で自然に知識や感覚、モノを手に入れていく。そしてそれらによって自意識という観念が強化されていってしまう。学習するほど、脱学習(アンラーメン)も必要になってくる。
学習にせよ、脱学習にせよ、自意識と結びつけてはいけない。

  •  終章 真の創造プロセスに向かって

この本の締めくくりとして、本書の内容を身につける最善の方法が紹介されています。
それは、
実行に移すこと
だそうです。
まずは試してみて、よかったら習慣化し、やがては生活スタイルに組み込むこと。それによって新しい世界が開けてくる、とのこと。

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結局は、自分も他人も何かと無意識のレベルでラベリングしたり、評価したり、序列化することが毎日ゴロゴロしているわけですが、私は、その「ジャッジメンタルな自分」の状態を認知し、「いかん、いかん、結果に成果にフォーカスするのだ。」という意識を持つのが必要なのだ、ということをこの本から学びました。
気が付いたら、新年にふさわしい本だったかもしれません。
今年は「ジャッジメンタルな自分」を認知し、意識を切り替え、思ったことをどんどん実行してみる年になりそうです。