悪魔の代弁者(Devil's Advocate)とは?
教訓 「あえて水を差しますが・・・」でより良い意思決定ができる!
こんにちは、Viviです。
皆さんは「ディベート」ってご存知でしょうか。
悪魔の代弁者(Devil's Advocate)というのは、このディベートにおいて、あえて反論する際の役割のことです。
「ディベート」や「悪魔の代弁者」という言葉は聞いたことがあっても実際はどんなものなの?と言う方も多いのではないでしょうか。
かく言う私も言葉だけ知っていて、「賛成」派と「反対」派に分かれて勝ち負けを争うゲーム、くらいの意識しかありませんでした。
が、今回はその「ディベート」を体験したことによって知った思いもかけない世界のことを書いてみようと思います。
0.ディベートに持つ先入観
「ディベート」って苦手だな、と思っていたんです。
なぜなら、他人を言葉で負かすゲームだと思っていたので・・・。
私自身が他人が説明していることはすぐに信じてしまうタイプで、つまり批判的思考が身に付いてないタイプという自己判断をしています。
ということで「ディベート」と聞くと、ルールに基づいた「口論」というイメージがあり、そして口論はつねに負ける、というトラウマがありまして、そんな訳でとても苦手でした。
1.ディベートの持つ本来の役目とは?
意思決定の正念場で無責任な 決定が行われないように
健全な思考と真実の追求を助ける
ことが役割です。
2.ディベートする際に気を付けることは?
① 人格と議論を分ける
- 相手の議論に対して徹底的に攻撃したとしても、個人攻撃をしない。
- 批判・攻撃の対象はあくまでも議論の内容のみであり、どんなに辛辣な批判があっても人格を否定しない。
- ルールを破って人格を否定することがあるかもしれないがそれはノーカウントである。
ディベートをする際のルールです。
このルールこそが、頭で分かっていながら心では受け入れられずにもしディベートに参加して攻撃されたら絶対に凹むな、と思って苦手意識を持っているところです。
② 言論の自由
- 真実を追求するためにあらゆる反論が許される
「あらゆる」っていうところがポイントですね。でも、人格を否定する発言はNGですよね。
ときにはルール違反で人格を攻撃されることがあるかもしれません。でもルール違反でポイントにはならない、ということを考えておきましょう。
3.練習してみよう
ということで、練習してみました。
不思議なもので「これはゲーム」、と考えることで気持ちが切り替わります。
そして、ディベートをする際の合言葉は
「あえて水を差しますが・・・。」です。
今回のゲームは以下の要領で行いました。全てオンライン会議システムを利用してのオンラインディベート体験ゲームでした。
- 2チーム各3人に分かれます。
- まずは作戦タイム。5分程度で肯定側(Aチーム)はお題に対して肯定したいことをより多面的に肯定する主張を固めます。そして、悪魔の代弁者となる反論側(Bチーム)はAチームが主張してくるだろうことを想像しながら反論するべき論点を準備します。
- Aチーム(肯定側)は2分程度のプレゼンタイムで肯定的な主張を展開しました。その間、Bチーム(反論側)はミュートにして黙って聞いています。
- 今度はBチーム(反論側)はミュートを解除し、逆にAチーム(肯定側)はミュートです。Bチームは先ほど聞いたAチームの主張に対して、2分間、陰口を言うようにざっくばらんに先ほどの主張のおかしいところをどんどん言っていきます。
- 最後はAチームとBチーム全員で感想を話します。
4.体験してみた結果
今回は、私が個人的にその時に抱えていた問題
「大学の入学式に新入生のほか、新入生の御父母をお呼びするか?」
でした。
同じチームになった皆さんのバックアップを受けながら肯定的な側面を見つけていってプレゼンしました。
そして、反論タイムです。
私はミュートにして悪魔の代弁者たち(反論チーム)の会話を聞いていましたが、不思議と冷静になって聞くことができました。
そして何よりも自分で驚いたのは、
私の考えに対する反論と言うより
提案をよりよく磨くための協力な支援
そして、そのための
悪魔の皆さんの愛
を感じました。
5.その後の驚くべき変化!
そしてその体験以来、日常に2つの大きな変化が生まれました。
★意見や反論に対しての愛を感じる
今まで会議で感じた提案に対する意見や反論、そして何気ない会話の中での相手の意見や反論が、なぜか分かりませんが私の意見に対する愛を持っている、と感じるようになったのです。
私の考えの至らないところを補おうとしてくれているんだ、と思うとなんだか嬉しくなってくるのです。
★私に対する攻撃と私の意見に対する攻撃を分けられるようになる
もう一つは、相手が私の意見に対して反論しているのか、私自身に対して攻撃しているのか、何となく聞き分けられるようになったことです。
たった1回のゲームの体験がこんな世界をもたらしてくれるなんて思いもよりませんでした。
とても得した気分です。
皆さんも機会があればぜひディベート体験してみてください。