めざせ、Neoleaderエヴァンジェリスト

      「権限によらないリーダーシップ」は全ての人のもの。その素晴らしさが一人でも多くの人に伝わるといいと思います。

講演会『シェアード・リーダーシップという新しい戦略』に参加して

教訓 エゴという魔物からの開放

こんにちは、Viviです。
先日、面白い講演会に参加したので、私の愛用するORIDというフレーム

 

neoleader.hatenablog.com

 

を使って振り返り、記録として残すとともに、皆さんにも内容をお知らせしたいと思いました。
参加した講演会はこちらです。


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たまたまフェイスブックで流れてきた記事の中に「シェアード・リーダーシップ」の文言を見つけました。
シェアドリーダーシップとは、私が興味を持っているリーダーシップの形でこれこそがNEOリーダーシップと考えているものです。


シェアード・リーダーシップとは


「シェアド・リーダーシップ(shared leadership)」とは、職場やチームのメンバー全員が権限を持っているか、持っていないかに関わらず、その場においてリーダーシップを発揮することを指します。
リーダーシップとは、組織やチームの目標を達成するために必要な、他のメンバーに与える影響力のことであり、一般的に「経営層やマネジャーといった権限保持者に必要な素養」と考えられがちですが、そうではありません。2人以上の人間が集まり、同じ目標を持つ際、その目標を達成するために一人ひとりがリーダーシップを持って活躍できる環境づくりが求められています。


主催団体「アショカ・ジャパン」について

アショカ・ジャパンの概要 | Brand Pledgebrand-pledge.jp

主催した団体も私にとっては初めて知る名前でした。
社会を変革する人を発掘し、その活動を応援し、さらにそこからその人達の変革の手法を学び、その手法を他の人にも真似されることにより、社会を変えようと活動する団体です。世界40ヶ国に拠点があり、今まで93ヶ国、3,700人以上の社会を変革する人達を「アショカフェロー」に認定し、その活動を応援してきました。今回は、そのフェローのお一人を東京に招き、その活動についてのお話を聞く会でした。


講師のハシナさんについて

今回の講師のハシナさんはインド、メガラヤ州の生まれの女性です。1971年生まれです。私と同年代です。インドにおいて、国境の越えて発生している人身売買や児童労働などの人権侵害を「インパルス・モデル」というステークホルダーがそれぞれの強みを活かして協働する仕組みを使って解決してきた方です。


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講演会の内容について

活動の原点

彼女の通っていた高等学校のプログラムに、ご近所の困っていることを解決すると言ったことなどの「地域の課題解決」を目的としたコミュニティ内での奉仕活動があったそうです。そこで学んだ「積極的に関与する」という姿勢が今の活動の原点だ、と話していました。

ハシナさんの活動の数々

ハシナさんは高校卒業後、コミュニティ内での活動をもっと積極的にするようになり、同じ学校の卒業生とともに地域の女性たちに地元で採れる竹や籐を編んで製品を作り、それによって女性たちが賃金を得る、という女性の経済的自立を支援していたそうです。
ところがある時、竹や籐が採れなくなってしまい、収入が無くなってしまったその地域の家庭は幼い子供たちを働き手として出稼ぎに行かせざるを得なくなってしまいました。そして、その出稼ぎ行った子供たちが行方不明になる、という事件が頻発するようになります。
その当時、コミュニティ活動で一定の成果を出していたハシナさん。ある時、インドの大きな会議に呼ばれます。そこで、子供たちの行方不明事件は人身売買の標的になっている可能性が高い、と知ります。
そこから、ハシナさんたちはその問題に「積極的に関与」し、その会議で知り合った弁護士や警察、メディアなどを始めとする官民の組織の人達にメールを出して、その活動が行方不明者の発見につながっていきました。そこで彼女は「情報共有することで問題解決につながる」ということを学びます。

インパルスモデルについて

やがてハシナさんの活動は炭鉱を閉鎖し7万人の不法労働者を救出することになります。それが達成できたのは政府、NGO、警察、弁護士などの人身売買の鎖を断つための活動に必要な機関をつなぐ窓口役つまりハブ役にハシナさんたちのグループがなり問題解決のために「積極的に関与する」インパルスモデルという仕組みがうまく働いたからです。
今では、インパルスモデルがパキスタンなどの近隣の国々にも広がっています。


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お話をとおして感じたこと


直感に従う

ハシナさんは高校卒業後、イギリスの大学へ奨学金をもらって入学の資格を得るのです。いざ入学するためにインドを出発するのですが、トランジットのため滞在したダッカ空港で「やはりインドに残って今までの活動を継続するべき」という内なる声を聞いてそこでインドに引き返すエピソードを話してくれました。その後もつねに直感に従って活動を継続してきたそうです。

ハブ役に必要な心構え

また、良いハブ役になるためには以下のことが必要である、と考えているそうです。1.人間の本質(縄張り意識、自分たちの存在の影響が薄くなってしまう不安など)を理解しながら物事を進める

2.自分たちは常に後ろに下がる

3.エゴを捨てて大きな目標をに向かって行動する

 

シェアード・リーダーシップが成功するためには

1.自分のリーダーシップスタイルを確立し、それを安定させる

2.他人にも関与し、課題共有する。誰がステークホルダーかを見極めそこに関与する

3.組織を巻き込むために、努力してくれた人の功績をたたえ感謝する

 講演から私が学んだこと

ハシナさんの活動は社会に与えるプラスのインパクトも大きく、活動も素晴らしいですが、話されていたことは、いたってシンプルだ、と思いました。
特に、

  • 人間の本質を理解しながら進める
  • エゴを捨てて大きな目標に向かって行動する
  • 努力してくれた人の功績をたたえ、感謝する
  • メールよりも直接会って話す

などは、今日からすぐにでもできることだな、と気が付くことができました。
「シェアード・リーダーシップ」などというと何か特別なこと、と考えてしまいましたが極めてシンプルで、その気になれば誰もができることなんだ、と思いました。